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2020年5月号−1 |
令和2年 5月 農林水産省生産局食肉鶏卵課 |
I 鶏卵 |
(1)消 費
消費量は年度により若干の変動はあるものの、概ね安定的に推移しており、平成30年度の消費量は2,735千トンと前年比0.9%増加した。日本人一人当たりの年間鶏卵消費量は約337個とメキシコに次いで2番目に多い。
(2)生 産
25年夏以降、家庭用、業務加工用ともに需要が旺盛であったこと等から、卵価は堅調に推移した。これを受け、生産者は生産を拡大、27年度以降は連続で前年度を上回り、29年度後半以降、需給が緩和し卵価が低迷している。30年度の生産量は約263万トンとなった。
(3)輸 入
輸入量は、国内消費量の5%程度で推移。輸入量全体のうち約9割は加工原料用の粉卵が占めており、主に、オランダ、イタリア及び米国から輸入している。
27、28年度は、米国で26年12月から発生した高病原性鳥インフルエンザの影響により、卵白粉の国際価格が上昇したこと等から、それぞれ前年度を大幅に下回ったが、29年度は、卵白粉の国際価格が落ち着いたことから、輸入量は対前年度比20.0%増の11万4千トンとなった。30年度の輸入量は29年度と同水準で推移した。
(4)卸売価格
近年の生産拡大にともなう需給緩和により、平成31年1月取引初日の標準取引価格は96円/kgと大幅に価格が下落し、平成31年度に入っても価格の低迷が続く中、5月20日に成鶏更新・空舎延長事業が発動した。同事業への取組等が進む中で、台風15号・19号の被害により供給量が減少したこと、年末の需要期と重なったことを背景に、年末の取引最終日の標準取引価格は、ほぼ平年並みの水準まで回復した。
3月に入り、新型コロナウイルス感染症の影響により、「巣ごもり需要」が旺盛となり、量販店向けのパック卵需要が増加したため、標準取引価格は前年と比較し大きく上回って推移。
一方、令和2年度は、4月7日の緊急事態宣言後、飲食店等の営業自粛に伴い、業務用・加工用の鶏卵の需要が大幅に減少したため、4月20日以降、標準取引価格は低下して推移しており、4月末時点の標準取引価格は179円/kgと補填基準価格183円/kgを下回る水準となっている。なお、4月の標準取引価格の平均は199円/kgとなっており、補填基準価格を上回っているため、4月の価格差補填は発動しなかった。
(5)飼養動向
(1) 飼養戸数は、小規模層を中心に減少傾向で推移しており、31年は2,120戸(対前年比3.6%減)となった。
(2) 一方、成鶏めす飼養羽数は、26年以降は鶏卵価格が堅調なこともあり増加しており、31年は1億4千万羽強(対前年比2.0%増)となった。
(3) この結果、1戸当たり平均飼養羽数は増加しており、31年は66.9千羽(対前年比5.9%増)となった。
(4) 成鶏めす飼養羽数10万羽以上層の飼養戸数の割合は全体の17.1%であるが、成鶏めす羽数の割合は全体の76.0%を占める構造となっており、経営の大規模化が進んでいる。
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